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【アクア説】人は海辺で進化した〜人類進化の新理論〜【書評】


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人類進化の新理論〜アクア説〜

そもそもなぜ僕はこの本を手にとったのか。

それは自身が長く試行錯誤してきた、食事やサプリメンテーション(例えばいわゆるメガビタ)の結果から

どうも人類は海辺で生活していたとしか思えないな

という実感があったからだ。

いくつかの栄養素が「あまりにも身体に好影響すぎる」という疑問。

これが僕が『アクア説』に興味を強く抱いた理由そのものである。

この手の議論に慣れるまではちょっと難しい

正直、この本を読んだ「1巡目」はそこまでピンと来ていなかった。

なるほど、こういう説が以前から存在したんだな

とか

へぇ、確かにサバンナ説をよく聞くと無理があるな

とか

やっぱ半水生だったんじゃ〜ん

みたいな浅めの感想(笑)を抱くに留まっていたのである。

しかし、この本の魅力はそこではない。

単に僕がこのジャンルに無知だっただけで、そこの知識が補填されたのが1巡目だったというだけのことである

極めてロジカル

この本の魅力は著者の極めてタフな「論理性」の高さである。

「いかにももっともらしい他説」への、難しい反駁をやってのける。

「ロジックの積み上げ」が非常に丁寧なのだ。

そういう本って、実は少ないと思うのですよ。

特に海外翻訳本でこんな透徹した印象の本は珍しい。

イライラさせられる本ばかりなのに。

ちなむに著者は女性であり、個人的には「やっぱ能力と性別は関係ねぇなぁ」とまた確認した次第。

本を読む前のサポート

この本を読む前に、重要な全体像を提示しておこう。

そもそもアクア説(ヒトは一時期「半水生生活」をしていた)はサバンナ説を否定しているわけではない。

「サバンナになんて住んでいなかった!」という主張ではない。

アクア説が否定しているのは「ジャングル→サバンナ」の「→」の部分のロジックである。

「それは無理だ。不自然だ。説得力がない」と言っているのである。

アクア説の主張はこうだ。

「ジャングル→水生生活→サバンナ」

こうすれば「それぞれの矢印が極めて強固になるぞ」と言っているのである。

バイオハッカーとして個人的に最も重要なこと

そして最も大切なことは

「ヒトをヒトたらしめているいくつかの能力は水生生活時代に培われた」ということ

ここである。

なぜ僕が「「たとえ可能であっても」」、「果実食」に惹かれないのかというと、ここがその理由だ。

イチ「バイオハッカー」としては、ヒトをヒトたらしめる「「以前の」」栄養条件に戻すことに興味はない。

いくら現代食がかつての栄養を失ったからといって、「「脳容積の成長以前まで」」戻る必要があるだろうか?

むしろその爆発的進化を引き起こした際の「栄養条件」に深く興味があるのである。

そこに現代人がその秘めたる能力を120%、取り戻すヒントがあると信ずる者なのである。

この辺りを先に頭に入れておくと、本書を読むのがスムーズになるだろう。

僕の中では殿堂入りした本です。

あなたにとっても人類の起源とその食を探ることは、ワケのわからない健康・栄養の世界の最高の指針になるはずだ。

それではまた。


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