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コラーゲンで睡眠改善サプリ「グリナ(グリシン)」の代わりができるか

追記:2020/02/20

ゼラチンでグリシンサプリの代わりができるか

就寝前の「グリシン」サプリで睡眠の質が高められるのなら、グリシンが多く含まれる「ゼラチン」でも同様の効果が得られるのでは?

という私の疑問に答えます。

睡眠の質を高めるグリシンについてのおさらい

まずグリシンを知らない人に説明します。

グリシンは睡眠の質を高めると言われているアミノ酸で、サプリメントとしては味の素の「グリナ」が有名どころ

というか、グリシンが睡眠の質を高めることを明らかにしたのが味の素でして、その研究を商品化した形ですね。

他のアミノ酸の研究をしていた際に、プラセボとしてグリシンを使用していたところ、「よく眠れるんだけどこれ何を摂取してたの?」と聞かれたことがきっかけだとか。

グリシンの摂取により、抹消の血流が増加し、深部体温が低下することで、睡眠の質が上がるそう。(R

ゼラチンがグリシンの代わりをできるか

で、別件でコラーゲンについて調べていて気づいたんですが、コラーゲンがほどけたものである「ゼラチン」のアミノ酸組成を調べていくと、めちゃくちゃグリシンが多いんです。

これはもしかして、グリシンサプリを飲まなくてもゼラチンを摂取すればいいのでは?と思い、早速調べました。

睡眠改善に必要なグリシンの量は

こちらの論文*1では「3g 」のグリシンで効果を測定しています。

実際、味の素のサプリメント「グリナ」の1回の使用量も「3.1 g 」となっています。

ですので、とりあえず就寝前のグリシンの摂取量は3g で問題なさそうですね。

ゼラチンでそれだけのグリシンが摂れるか

f:id:sakato0927:20190708153900j:plain *2

上記グラフによると、なんとゼラチンのタンパク質1g でグリシンが280mg 摂れます。

ということは11g もゼラチンを摂取すれば、効果を出すのに十分なグリシンを摂取できるということです。

ゼラチンでグリシンサプリの代わりができるかの結論

 余裕で可能です。

それどころか、ゼラチンにはアルギニンが多く、またコラーゲンペプチドがコラーゲン合成を促進することなど、他にも極めて有用な効果があります。

「グリナ」がハイパーぼったくり商品であることに気づいている人はそこそこいるようですが・・・

そこからさらにグリシンすらゼラチンの下位互換である、というのが私の主張です。

これはなかなか気づかないのでは?と密かにニヤついています。

もし「グリシンの吸収速度が睡眠効果に大きく影響するのであれば」グリシンとして摂ることが重要ということになりますが、まぁおそらくそんなことはないんじゃないかなと思います。

追記をお読み下さい!👇👇

おわりに

最後に。

ハイパーぼったくり商品「グリナ」の荒廃したアマゾンレビューを眺めてみましょう。

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ひどい価格設定とはいえ、この研究成果自体は素晴らしいものですから、なんだか切ない気持ちです。

あと繰り返しますが、もちろん私はゼラチンのほうがグリシンより更に上等と信ぜます。

では、「グリナ」ではなく「ゼラチン」のAmazonほっこりレビューをみて締めとしますか。

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>> 森永製菓 クックゼラチン 13袋入り (5g×13P)×4箱 | Amazon

追記:2020/02/20 就寝前のコラーゲンサプリは少し注意!

新たな情報を追記します。

コラーゲンサプリの就寝前摂取は、睡眠にやや不利になる可能性が出てきました。

眠るためには脳内ホルモンのメラトニンが重要なのですが、その大本の原料となるのがトリプトファンです。

コラーゲンにはアミノ酸のトリプトファンが全く含まれません。

またトリプトファンは脳に入る際に「BCAAとトリプトファンの比率」が重要になってきます。

BCAAに対してトリプトファンが多いと、脳に入りやすいのです。

BCAAは含まれるものの、トリプトファンがまったく含まれないタンパク質であるコラーゲンの摂取は、覚醒には有利ですが睡眠には不利になる可能性が高いです。

ですので、グリシンはやはり単体で摂取するのがベストだといえそう。

その際にはもちろん、グリナを使う必要はなく、市販のグリシンを使えば OK です。

また、日中にコラーゲンを摂取することで覚醒効果を狙うことができます。

結果的に逆を勧めてしまいまして、大変申し訳有りませんでした。

*1:Glycine ingestion improves subjective sleep quality in human volunteers, correlating with polysomnographic changes

*2:食品成分データベース:https://fooddb.mext.go.jp/