こんにちは、サカトです。
今回は『ケトジェニックダイエットで下痢になった人が知るべき8つの原因』を、私の実体験とダイエット指導経験からお伝えします。
この記事では以下のような要望に答えていきます。
- ケトジェニックダイエットで下痢になったがどうすればいい?
- 下痢になる原因は何が考えられるだろうか?
- ケトで下痢にならないための対策が知りたい
この記事を書く私自身は、ケトジェニック歴は4年目くらい。今では幸いなことに栄養指導や教材を販売する立場です。
当ブログのトップページに「栄養指導」の案内ページがありますので、この記事を読み終わってもし「いいじゃん!」と思えた方はそちらもチェックしてくださると幸いです。
さて、ケトジェニック(糖質制限)ダイエットでお腹を壊すのはとてもよくわかります。
この原因はたくさんありまして、解きほぐすのはなかなか大変なんです。
が、安心してくれていいです。ひとつひとつの対応そのものは簡単なので。
初心者の方でも理解できると思います。
それではさっそく始めていきます。
ケトジェニックダイエットで下痢になったらまずすべきこと【確認】
ケトジェニックで下痢になったときにまずすべきことは、原因の特定です。
すみません当たり前ですね。
というのも、いきなりケトを中止したり下痢止めを飲んだりする人もいそうだったからですね。
その必要はおそらく、ほぼないと言っていいはずです。
なぜならケトジェニックダイエットで「下痢」が起こるのはとてもよくあることだからですね。
私自身はじめの頃は、ケトジェニック中にトイレに駆け込んだことが何度かあります。
私が指導したクライアントさんでも同様ですね。
まさに「ケトジェニックあるある」といった感じ。
また、有名な海外サイト『healthline』によると*1
Going keto, it appears, is giving tons of dieters frequent bouts of diarrhea.
(Google翻訳:ケトに行くことは、多くのダイエット者に下痢の頻繁な発作を与えているようです。)
とあり、海外においてもケトジェニックダイエットで下痢になることはとてもありふれたことだと伺えます。
あまり大げさに考える必要はなさそうですね。
けど下痢になるってことは身体が拒否してるってことでしょ?もう怖いからケト辞めます。
という意見もよくわかりますし、別にそれでもOKです。
ただ…何でもそうですが間違ったやり方をしてしまうと、当然ながらよくない結果となります。
筋トレもやり方がめちゃくちゃだったら怪我してマイナスしかなくなっちゃいますよね?
そうなったときに「悪いのは筋トレそのものだ」とは…言えませんよね。
まずはちゃんと「なぜそうなるか」を学びましょう。
やめるにしても、記事の続きを読んでみてはどうでしょう。
原因をはっきりさせておいても損はなさそうですよ。
ではさっそく、次の章で「ケトジェニックダイエットで下痢をする原因」を解剖していきます。
ケトジェニックダイエットで下痢になる原因8つとその対策
タイトルに書きましたが、下痢の原因は少なくとも「8つ」は考えられます。
この記事を読んでくれている方は「自分自身が今、現に下痢してる」と言う方も多いと思います。
その場合は急ぎたいでしょうから(汗)とりあえず怪しい項目だけでもOKです。
そこから読んでみることをオススメします。
では列挙していきます。
- MCTオイルの取りすぎ
- 脂質を吸収しきれていない
- 質の悪い油を取っている
- 人工甘味料の取りすぎ
- タンパク質が多すぎる
- 腸内環境の悪化
- 電解質(ミネラル)および水分の喪失
- チーズや卵のアレルギー
では、ゴリゴリ説明していきますね。
内容が多すぎて、記事が長くなりすぎる場合は別記事に飛ばしますのでそちらを参照してください。
とはいえこの記事を読むだけでも、とりあえず簡単には理解できるように書いていきますね。
では、「起こる確率の高そうな順番」で書いていきます。
MCTオイルの取りすぎ
まず、MCTオイルの取りすぎです。
これが最もよくあることかな、と思います。
MCTオイルの取りすぎは腹痛や下痢を引き起こします。
「どれくらいが適切な量か」は答えられません。
慣れもあるし個人差もあるし、その状況にもよります。
初心者は1日5g あたりから段階的に増やしていくといいです。
より詳しく知りたい方は別記事を参照してみてください。かなり詳しく解説していますよ。
脂質を吸収しきれていない
「脂質の消化不良」というケースもしばしば見られます。
ケトジェニックダイエットは脂質をたくさん摂取することがどうしても必要ですから、これは避けられない問題ですね。
結論として、その場合のアプローチは以下の3つ。
- タウリンを摂取する
- あらかじめ乳化させる
- 油を減らす
それぞれ説明する前に、ちょっとお勉強です。
基礎知識をここで理解しておきましょう。
油は「乳化」されなければ、消化酵素が働いて分解することができません。乳化とは油と水が混ざった状態ですね。
油は胃を出てすぐの十二指腸において「胆汁」によって乳化され、「膵液」に含まれるリパーゼという消化酵素によって分解されます。
ですので、胆汁が十分に出ていないと消化不良を起こしてしまうと考えられます。
途中がよくわからなくても、太字だけ理解してくれればOKですよ。
タウリンの摂取
タウリンは胆汁の量を増やして脂質の消化を助けることができます。
『医療用医薬品:タウリン』より引用します。*2
胆汁酸排泄促進作用
家兎に経口投与した場合、肝胆汁量及び総胆汁量は投与後3〜6時間で約2倍に増加し、また単位胆汁量中胆汁酸濃度、単位時間内胆汁酸排泄量は、ともに増加した。
胆汁中の胆汁酸はタウリンに抱合された形で存在します。
タウリンを摂取することで胆汁を増やすことができ、脂質の消化能力の向上を期待できるわけですね。
他にも様々な効果がありますので(上記リンクを参照してみてください)、特にケトジェニック中はぜひ活用したいところです。
>> Now Foods, タウリン、ダブルストレングス、1,000mg | iHerb
補足ですが…タウリンは日本では医薬品扱いなので、輸入には独特の規制がかかります。
その内容も理解しておいた方が良いですね。
別記事に詳しく書いてますので、読んでおくとスムーズかと思います。
>> 100円note:サプリメントの輸入規制について【まとめ】 | note
あらかじめ乳化させる
上記でタウリンによる胆汁増加を説明しました。
「あらかじめ乳化させる」というのは、「胆汁による乳化をはじめからやっておく」というアプローチです。
体が中でやっていることをあらかじめ外でやってしまおうという発想。
タンパク質でいうと「ペプチドやアミノ酸を飲む」であるとか。ビタミンだと「活性型ビタミン」を飲むなど。
そういったアプローチの仲間と言えますね🙂
「あらかじめ乳化させる」方法は以下の2つ。
- ブレンダーで攪拌する
- レシチンを混ぜるか同時に飲む
マヨネーズを作るのとだいたい同じようなことです。
水と油をブレンダーを使ってめちゃくちゃかき混ぜます。
>> HARIO(ハリオ) クリーマー・キュート ブラウン | Amazon
>> HARIO(ハリオ) クリーマー・キュート ブラウン | 楽天
そうやってから飲むと多少はサポートになると。
ちなみにデイブ・アスプリーによると、振動を与えた「水」は「エクスクルージョン・ウォーター(EZ水)」という雪解けや野菜の細胞中に含まれる特殊な状態の水になるとかなんとか…
そのパワーによってもプラスの効果があるとかなんとか…
怪しいですが、水の分子の配列などが未知なのは事実。私はけっこう信じてますけどね。フツーに🙂
また「レシチン」は天然の安全な「界面活性剤」でして。乳化剤として使われます。
しかも、健康に良いのですよ。
私は毎日飲んでます。頭をよくする効果を期待できる栄養素ですね。卵とか大豆に含まれます。
そんなレシチンを同時に飲めば、乳化作用が期待できて良いかもしれません。
またちなむと、私はレシチンをバター入りの味噌汁に混ぜてブレンダーで攪拌したことがありますが…
クリームみたいになって、ちょっと気持ち悪かったです…
レシチンは味があまり良くないので、混ぜるのはおすすめしません。胃の中で混ぜる感じが良いかなと。
>> Life Extension, レシチン、454g | iHerb
油を減らす
かなり「そもそも」の話なのですが、いっそ油の量を減らしてみることも選択肢のひとつです。
珍しいのですが…そもそも脂質を取りすぎているパターンも経験があります。
その方はほんとに卵を10個とか。それに加えてMCT60g 、バター大量、ステーキ400g みたいな。
そんな感じの食事をしていて…見事に大下痢になってました(笑)
シンプルに「もうちょっと少なくてもいいですよ」とお伝えしましたら、ちゃんと治りました。
ちなむとその方はボディメイク系の競技者ですね。
やっぱり突き詰め方が違います。
普通はどれたけ「脂質をたくさん取らないとダメですよ」と言っても足りないものなのですけどね(笑)
そういった極端なケースでなくとも、シンプルに「減らす」ということが有効になる場合もあるでしょう。
とはいえ、やっぱりケトジェニックには大量の脂質が必要なことに変わりはありません。
ちゃんとその辺りを理解した上で、調整してくださいね。
「ケトジェニックに必要な脂質の量」に関しては別記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
質の悪い油を取っている
質の悪い油を取っているというケース。
悪い油を使っている場合も、下痢や吐き気を起こしやすいです。
私たちの消化器系は、オメガ-6脂肪を多く含む植物油や種子油に対する耐性が限られています。人体実験の早い段階で、大豆、トウモロコシ、ベニバナ、またはひまわり油で作られた高脂肪食を患者に与えると、すぐに吐き気を催し、下痢を引き起こすことがわかりました。
私たちは植物油(基本的に低品質です)の利用が苦手なのかもしれませんね。
私は先述したMCTオイルやグラスフェッドバターをメインに脂質を摂取することを勧めています。
くれぐれもサラダ油を飲むみたいな真似はやめてくださいね。
絶対に、NGです。ちなむと私はサラダ油を一切、料理に使いもしません。
どうか悪しからず。
人工甘味料の取りすぎ
人工甘味料の取りすぎも怪しいです。
甘味がどうしても欲しい!
というタイプのケトダイエッターは特に注意ですね。
ゼロコーラとか、甘〜いプロテインなどをたくさん飲んでませんか?
人工甘味料を大量に取ると、お腹がゆるくなることがあります。
ガムのラベルに「大量に食べるとお腹がゆるくなる」って書いてますよね。あれです。
ちょっと気をつけておいたほうがいいですね。
ちなむとこういったタイプの下痢対策は note に鬼まとめしてあります。
有料ですがそもそも下痢体質の方は読んでみるとかなりの改善を期待できると思いますよ。
慢性下痢を克服するnote【下痢体質への最終解答】|サカト@バイオハッカー アンチエイジングと長寿命|note
タンパク質が多すぎる
次、タンパク質の取りすぎです。
タンパク質を取りすぎた場合も、腸内環境の悪化により下す可能性があります。
ここで皆さんに気をつけてほしいことはやはり、ケト飯はタンパク質が多くなりがちだということです。
肉食に近くなるので、脂質をたっぷり取ろうと思って頑張ってたらいつの間にかタンパク質も大量になります。
もともとプロテインを飲む習慣があった人はなおさら、タンパク質過多になる恐れありです。
そこは頭に入れておいてください。
ここについても、別記事で鬼解説してます。
「タンパク質の摂りすぎ」が怪しいな…と思わない方は、別に読まなくてOKですよ。
腸内環境の悪化
「タンパク質の取りすぎ」でも出てきましたが、腸内環境の悪化も原因のひとつとなり得ます。
ケトジェニックで腸内環境が悪化する大きな原因は「食物繊維の不足」です。
ケトジェニックは基本的に「肉食」に近いものになりますから、植物の食物繊維が不足しやすいんですね。
ですから対応策としては、糖質の少ない野菜をしっかりと食べることです。
特におすすめなのはブロッコリーやアスパラガス…と言いたいところですが、私は全然食べないですね(笑)
なぜならあまり美味しくないから🙂
なので個人の見解としてはサプリメントでの食物繊維の摂取を勧めます。
ひとつだけ選ぶとしたら「イヌリン」ですね。
ケト中は特に、意識的に摂取するべきですよ。
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電解質(ミネラル)および水分の喪失
ケトジェニックダイエットでは、ミネラルが失われやすいです。
ケトジェニックダイエットで体調が悪くなることをケト・インフルエンザ(ケトフルー)と言います。
ケトフルーの正体のほとんどは、実は塩分(ミネラル)不足なのではないか!というのが私の仮説です。
ケトでは糖質摂取がないため、インスリンの追加分泌が非常に低くキープされます。
インスリンには腎臓尿細管でのナトリウム再吸収作用があります。
ケトではその作用が働かないため、ナトリウムが尿から失われやすいのです。
しかも導入期にはグリコーゲンという水分も枯渇しますから、気をつけなければ容易に電解質不足を招くわけです。
電解質バランスが崩れると、下痢が引き起こされ得る。
ケトジェニック中は、塩やミネラル・水分の摂取を普段以上に気をつけてくださいね。
さて、軽く説明しましたがもっと詳しく知りたい方は以下の記事を参照してください。途中で論文付きの解説をしています。
内容は難しめだし有料ですので、普通のケトダイエッターは読まなくて大丈夫です。
その代わり上記内容をしっかりと頭の片隅に置いておいてくださいね。
チーズや卵のアレルギー
最後に、アレルギーです。
アレルギーによって腸が荒れている可能性も考えられます。
実は昔の私がそうでして、初めてケトジェニックダイエットを試したときはアレルギーまみれになっちゃった可能性があるんですね。
当時の私のケトジェニックは…ひったすら卵とチーズを食べまくるというものでした。
今だったらあまり卵もチーズもそこまでは食べません。
どちらもアレルギーリスクが高めですし、チーズのカゼインやカビ毒の可能性などを考えても…わざわざ摂ることはない。
とにかく最初のケトジェニックのときは吹き出物がすごかったです。
顔や頭のどこかに必ずデキモノがあって触ると痛かったです。
今でも、怪しい食事をすると本当に素直なまでにデキモノが発生します。
そこで「遅延型アレルギー検査」を受けてみたんですね。
すると卵と乳製品のIgG抗体値が高いこと。
同じものばかり食べ過ぎると、突然アレルギーを発症することがあるとも言われています。
もちろん元々かもしれませんし、遅延型アレルギー自体マユツバの可能性もありますが…
ともかく、下手なケトジェニックにはそんな落とし穴もあると認識しておいて損はないでしょう。
>> IgG 96 スタンダード・フード・パネル[日本] | Amazon
お疲れ様でした。今回は以上になります。
最後にまとめです。
ケトジェニック中の下痢で考えられる8つの原因。
- MCTオイルの取りすぎ
- 脂質を吸収しきれていない
- 質の悪い油を取っている
- 人工甘味料の取りすぎ
- タンパク質が多すぎる
- 腸内環境の悪化
- 電解質(ミネラル)および水分の喪失
- チーズや卵のアレルギー
怪しいものからアプローチしてみてください。
まぁだいたいはMCTと脂質の消化吸収不良です(笑)
下痢以外の面でも、かなりケトジェニックのヒントになる内容だと思いますのでぜひ参考にしてください。
少しでもあなたのお役に立てましたら幸いです🙂
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それではまた。