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筋トレしたら風邪をひかなくなるか?

筋トレしたら風邪をひかなくなるか?

「筋トレで身体を強くしたら風邪をひかなくなりますか?」

「風邪をひきやすいんだとしたらそれ本末転倒じゃないですか?」

「筋トレと風邪の関係と、風邪をひかなくなる方法を教えて」

という質問に答えます。

この記事を読むと、筋トレで風邪をひきやすくなるのかどうかとその理由がわかります。

合わせて後半で対処法も詳しくお伝えしますね。

軽く自己紹介

この記事を書く私は筋トレ4年目。かつて 1 年半で 48kg→75kg の大増量を果たしました。

幼い頃は虚弱体質で・・・毎年2回は寝込んでましたね。

しかし今は、笑えるほどに風邪をひきません。それにはちょっとした秘密があります。

筋トレを頑張れば、風邪をひかなくなるのか?

筋トレを頑張れば、風邪をひかなくなるのか?

筋トレで身体を鍛えると、風邪をひきにくくなるのでしょうか?

 結論:残念ながら筋トレを頑張るほど逆に風邪をひきやすくなります。

その理由はいくつか考えられますが、要するにこういうことです。

  • 理由1:ストレスホルモンの増加により免疫機能が低下する
  • 理由2:男性ホルモンの増加により免疫機能が低下する

以下で詳しく見ていきましょう。

筋トレ風邪の原因:ストレスホルモン

筋トレしたら風邪を引く最大の原因はストレスホルモン「コルチゾール」の分泌増加です。

コルチゾンとアドレナリンは人体がストレスに対して反応する際に放出される主なホルモンである。これらは血圧を上昇させ、体を闘争または逃避反応 (fight or flight response) に備えさせる。*1

コルチゾールとアドレナリンは要するに「戦闘ホルモン」です。

戦うための体の状態を作るためのホルモンで、その効果は要するに戦闘に関係のないあらゆる機能を抑制すること。

具体的に示します。

 血液が筋肉に送り込まれるので胃腸で消化吸収ができなくなります。

だからイントラは消化の必要がないアミノ酸を飲むわけです。 戦闘(筋トレ)中に消化なんてできないわけです。

強いストレス下では食欲はわきません。
コルチゾールが分泌されて、体が戦闘態勢に入っているからです。

 視野が狭くなったり耳が聞こえにくくなったりします

いじめられたりしている状態は多分、こんな感じです。

体が戦闘態勢に入って、口が乾き、体が震えます。
全ての反応が、闘争・逃走反応です。

 勃○もしづらくなります。

ストレスで ED になるとはそういうことです、体が戦闘に備えてしまっている。

常に筋肉の方に血液を送り込んでしまい、心臓がバクバクしたり震えが起きたりしますが、戦闘と関係のない生殖器に血液は送られません。そういうことです。

てことは筋トレ後は向いていない・・・

で、その流れで、免疫機能も同じように低下するわけです。
戦闘に必要ないですからね。

オープン・ウィンドウと呼ばれ、激しいトレーニング後しばらくは免疫低下状態となります。

そう考えると、いたって当たり前の話です。

体からしたら、ただただ戦闘に備えているだけ。

筋トレ風邪の原因:男性ホルモン

もう一つの原因と考えられるのは男性ホルモン「テストステロン」の増加です。

強度の高い筋トレをするとテストステロンが分泌されます。

テストステロンって特に男性にとってはハイパー重要ホルモンで、分泌されるといいことづくめではあるんですが・・・

ホエイプロテインと同じく、なんでも完ぺきってことはない。

テストステロンが多く出ているほど、逆に免疫は低下するんです。

筋肉量が多くなるとテストステロンの分泌量も増えます。テストステロンの量とトレードオフの関係にあるのが免疫機能です。テストステロンの過剰な分泌は、免疫機能を低下させることが報告されおり(Lassek WD, 2009)・・・*2

要するに、筋トレするとテストステロンが増え、またテストステロンが増えると、免疫が落ちる。

ということになります。

まとめるとこうです。

 筋トレによってコルチゾールとテストステロンが増え、どちらも免疫を低下させる。

筋トレ風邪の対処法

筋トレ風邪の対処法

「それ本末転倒じゃね?」

と言いたい気持ちもわかります。

しかしそれは筋トレの圧倒的メリットがわかっていない人から出てくる言葉です。

ここで長々と述べても邪魔なので控えますが、筋トレこそが「アンチエイジング」と名乗るに最もふさわしい行為です。

いずれこのあたりも記事にできればなと。

しかも、最初に述べたように現在私はまったく風邪をひきません。

つまりこれらには、対処法があるということなんです。

私の場合、以下のことを守っているだけでパーフェクト健康体です。

  • 筋トレをできるだけ短時間で終わらせる
  • 炭水化物・タンパク質を十分に取る
  • グルタミンを利用する

それぞれ見ていきましょう。

筋トレをできるだけ短時間で終わらせる

運動の強度が高いほど、また時間が長いほど、コルチゾールの分泌は増えます。*3

研究では1時間以上の運動でストレスホルモンの分泌が増しています。

強度を落としてはトレーニングの質が下がりますので・・・要するにこういうことです。

短時間に集中して筋トレを終わらせれば、最小のコルチゾール分泌で済む。

北島達也さんは「短時間ならアドレナリン、長時間やるとコルチゾールに切り替わる」的なことをおっしゃっています。

エビデンスがあるのかどうかちょっとよくわかりませんでしたが、そんなイメージでいいと思います。

とにかく、トレーニングの密度を高めましょう。
目標は 45 分以内です。

炭水化物・タンパク質を十分に取る

運動時に炭水化物やタンパク質を十分に取ることで、コルチゾール分泌を抑えられます。*4

コルチゾールは血糖値をあげるホルモンですから、炭水化物をとれば分泌を抑えれるというのは自然に理解できますね。

というか、こんなことは我々トレーニーにとっては当たり前ですよね。

私たちが普段やっているアミノ酸やデキストリンの補給は、ストレスホルモンの分泌を下げ、免疫低下を防ぐ意味も持っているということです。

つまり単純に栄養の知識のないままトレーニングしている人に限って、「筋トレすると風邪ひくわ」って言いがち・・・かもしれませんよ。

グルタミンを利用する

あまり強いエビデンスはないものの、実際に筋トレをしている人たちから絶賛されているのがグルタミンです。

www.youtube.com

理屈としては・・・ストレスで大量に必要になる「条件下必須アミノ酸」であることと、腸管上皮細胞や免疫細胞のエネルギー源になることは確かです。

それって、その時点で重要に決まってますよね。

トレーニングという肉体的ストレスで大量にグルタミンが消費されて、ただでさえ免疫が低下している状態で、免疫細胞のエネルギーがなくなっちゃうわけですから。

そこでグルタミンをガツンと入れてやることで、かなりの免疫機能回復が見込めます。

筆者がグルタミンを初めて使用したのは確か1996年頃ですが、真っ先に体感した効果が「風邪を引かなくなった」というものです。周囲のトレーニーも同じような感想を持つ人が多く、「このサプリメントは効くのだなぁ」とクレアチン以上に感嘆したのを記憶しています。*5

山本義徳先生もこのようにおっしゃっておりますので、間違いないかなと。

筋トレ風邪の感想

筋トレ風邪の感想

 筋トレの数少ない欠点は「一時的な免疫機能」の低下です。

正確には「筋トレの欠点」ではなく「激しい運動の欠点」ですが。

法則としては激しい運動は必ずしっかり栄養をとって密度高くやれ!ということです。

なぜ有酸素運動がメンタリストDaigoさんとかにディスられまくってるかといえば、同じことです。

コルチゾールが出まくるからですよ。

しかも有酸素の場合はその上筋肉は減るし代謝は落ちるし、さしたるメリットがない。
まぁそういう話です。

ウォーキングが誰にとっても究極の健康法なのは、コルチゾールが出ない強度の運動だからです。

そのウォーキングの唯一の欠点は、筋肉が増えないこと。*6

脱線しそうなので留めますが・・・筋トレ+ウォーキングは限りなく「健康の答え」なわけです。

いずれそのあたりも書いて行こうと思います!

PS

ちなみに・・・

女性がゴリゴリマッチョを嫌いなのは「男性ホルモンがあまりにも高すぎて免疫力が低い」と判断するからだそうです。

以下に詳しく書かれてます。とても面白い記事なので読んでみるといいですよ。

>> 筋トレをするとモテる本当の理由 | リハビリmemo