私は15歳のときにケガで片目を失明しました。
ですので隻眼(片目)になって15年経ちます。
不幸なケガや病気などで片目を失ったばかりの方や、
その関係者でこの先どのような不都合があるのか知りたい方が、世の中にはおられることと思います(かつての私のように)。
私個人の経験の範囲内ではありますが、記事にしてみることにしました。
何か少しでも参考になればと思います。
まだまだこの先より重要で新しい不都合が出てくるかもしれず、十分な参考情報と言うには不足が多かろうとは思いますが・・・。
今までに感じた不都合
まずは大きなところから、お伝えします。
自動車免許取得に関して
視力の合格基準
原付免許、小型特殊免許
両眼で0.5以上、又は一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上です。中型第一種免許(8トン限定中型)、準中型第一種免許(5トン限定準中型)、普通第一種免許、二輪免許、大型特殊免許、普通仮免許
両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上、又は一眼の視力が0.3に満たない方、若しくは一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上です。大型第一種免許、中型第一種免許(限定なし)、準中型第一種免許(限定なし)、けん引免許、第二種免許、大型仮免許、中型仮免許、準中型仮免許
両眼で0.8以上で、かつ、一眼がそれぞれ0.5以上、さらに、深視力として、三桿(さんかん)法の奥行知覚検査器により3回検査した平均誤差が2センチ以内です。
要するに「普通免許はほぼほぼ取れるけど、限定なしの中型免許以降や2種免許は取れないよ」ということです。
これはあなたの進路によっては影響があるかもしれませんね。
深視力(遠近感)の検査が絡んできたらアウトです。
しかし私も普通免許は普通に取れました。
私の知り合いの片目の方で、遠近感がなくて怖いから車には乗らないという人もいますが・・・。
私は普通に乗っていますよ。
ただもちろん遠近感については通常より劣っていることは強く意識しています。
バック駐車のときなど、感覚には頼りません。
場合によっては一度降りて状況を見たりします。
かっこつけは厳禁です。
片目なのですから仕方ありません。
スポーツに関して
遠近感がほとんどなくなってしまいますので、
基本的にあらゆるスポーツにおいて不利だと思います。
特に小さなモノを扱うような
野球、テニス、卓球、バドミントンなどは、私の経験から言うとほぼ不可能です。
普通に空振りしてしまいますので、遊びとしても全然楽しくありません。
野球に至っては危険ですので遊びでもやらないほうがいいかもしれません。
まったく距離がわかりませんので、もうこれは仕方がないですね。
もう少し扱うモノが大きくなるとある程度プレイすることが可能になってきます。
モノが大きいほど遠近感が取りやすいのです。
サッカー、バスケはかなりマシな方で、友達と遊ぶ分には十分楽しめると思います。
同じようなボールサイズでもバレーはかなり難しいです。
直線的にこちらにボールが向かってくるからです。
スピードもありますしね。
私ははっきり言って全然まともにプレイできませんでした。
ですので、それら球技などを真剣にやっていた方で隻眼になってしまった場合は、
残念ながら今後はかなり厳しいものになると思います。
私はバスケをやっていましたが、失明してからはやはり厳しく、多少は続けたものの結局はやめてしまいました。
陸上競技やパワーリフティング、ダンスやマラソン、水泳など、遠近感がパフォーマンスに関係してこないスポーツを選ぶのが良いと思います。
私が今現在ウエイトトレーニングを趣味としてやっていることと、片目の失明は無関係ではありません。
失明して以降、音楽にのめり込んだのも、読書に没頭したのも、失明と無関係ではありません。
何かあなたのヒントになれば幸いです。
2次的な症状について
私の場合、健常な方の目の視力には今の所さほど影響はないように思います。
ただ、体調にもよるのですが斜視が入るようにはなってしまいました。
医者によると、一般的に片目を失明するとどうしてもだんだん外斜視になるそうです。
↑これは内斜視です。これの反対バージョンですね。
手術も存在するのですが、一時的な改善にとどまる模様。
神経的な問題なため、時間がたつにつれてまた斜視に戻る可能性が高いようです。
私は今の所ほったらかしですね・・・。
体調がいいと斜視にならないです。気のせいかもしれませんが・・・。
日常的な不都合について
次に、もっと生活に密着した不具合をお伝えします。
健常な方の目にゴミが入るとアウト
失明している側ならなんの問題もありませんが、
健常な側の目に虫やゴミが入ると前が見えなくなります。
自転車に乗っている状態でそうなると結構最悪です。
とまらないと前が見えませんので危険ですよ。
蚊を殺すのほぼ無理ゲー
飛んでいる蚊を殺す難易度がかなり上がります。
ですが止まっている蚊なら可能です。
距離感があまり関係なくなるからですね。
レシートやカードの受け取りに注意
レシートやカードを受け取るときに、空振りすることがよくあります。
距離がわからないので上の空気をつまんじゃったり、下の空気をつまんじゃったりしますw
ちょっと恥ずかしいです。
できれば、こちらから先に手を出しておいて、そこにカードを置いてもらうのが良いと思います。
ドライブスルーでお釣りをもらうときはマストですよ!w
人混みがちょっと危ない
左半分が見えないというわけではないのですが、左の端の方は完全に見えていません。
人混みでは左の人に気づけません。
若干怖いものがありますので、人混みではゆっくり動きましょう。
立体視ができない
片目なので立体視はできません。
まぁ、特に困ることはないかと思います。
物陰から覗き込むことができない
えーと、よくわかりませんかね?
↑これの、片目バージョンみたいなやつです。
これが見えない方の目だとできないわけですね。
こっそりと覗き見るときに不利ですw
似た現象に「自販機の下を覗き込むとき」があります。
見えない側を下にしても何も見えません。
見える側を下にして覗き込みましょう。
VRは・・・できるのか???
VRはどこまで楽しめるのでしょうか?
一応、一回VRゴーグルをつけてみたのですが。
できているような気もしますし、ホントはもっとリアリティがあるのか、なんなのかよくわかりませんでした(だって両目でVRしたことがないからね!)。
「片目ではVRが楽しめない」となると、個人的には一番悔しいんですが・・・w
まとめ
あくまで個人的な感想ですが
いまのところそうそう困ってはいません。
実際、日本で片目失明は障害者に認定されません。
そこに異を唱える方々もいらっしゃるようですが・・・。
ただ、スポーツのところで述べたように
そのスポーツのプロを目指している方や、すでにプロで活躍されている方などは
大変おつらいことと思います。
この記事が多少なりともあなたのお役に立てれば幸いです。