どうも健康コンサル兼自称バイオハッカーのサカトです。
今回は(も)マニアック記事になります。
おそらく数人に向けて書くことになりますが、頑張ります。
さて、twitterでは「プロテインをEAAに置き換える」という話がひそかに(?)盛り上がっています。
プロテインをEAAに置き換える。
トレーニングなど無関係に「日常的にEAAを飲み続ける」ということを言い出したのは、おそらく山本義徳さんではなく
「小西伸也さん」なのかな、と思います。
違ってたら教えてくださいね。
なぜ、プロテインをEAAに置き換えるのか?
なぜ、プロテインをEAAに置き換えるなどという発想が出てきたのか。
その最たる理由はこれでしょう。
- プロテインの消化吸収すらままならないほどに基本的な機能を失った人がたくさんいるから
小西さんがなんども言っています。
長年のタンパク不足によって、消化吸収をする内臓がまともにできていない。
消化酵素すらまともに作れていない。
実際に、それまで悩みのタネだったのだろうと予想されます。
肉魚卵プロテインを勧めているのに、「食べられない」と言われてきたのでしょう。
「気持ち悪くなる」とか「吐いてしまう」とか、「お腹を下してしまう」とか。
実は私も虚弱な体質でして、はじめはずっとプロテインでお腹を壊していたのでこれはものすごくよくわかります。
そうであるならば「最初から消化が済んでいて後は吸収されるだけ」のEAAなら、確実にタンパク不足を解消できるんじゃないか?
これが小西さんの発見なのです。
これは筋トレ勢からは出てこない視点です。
筋トレをやっているような人は、消化吸収能力が強いです(鶏と卵ではありますが)。
EAA を「消化能力が落ちているトレーニング中」以外の場面で用いるなんて、思いもよらないところです。
でも、考えてみれば同じことですよね。
どっちも「消化吸収能力が落ちているから EAA」なんですよ。
水野医師や小西先生のような「弱った人を相手にする仕事」の人たちから、「EAAを普段使いする」という発想が出てくるのは、そう考えると必然だと思いませんか?
その他の理由を考察してみる
では、本題に行きましょうか。
プロテインをEAAに置き換えることでどのようなことを狙えるのか。
まずは思いつくままに箇条書きにしてみます。
- 吸収率UP
- 糖原生アミノ酸の割合が下がることによる糖新生の制限
- ケト原生アミノ酸の割合上昇によるケトーシスの誘導
- 余ったアミノ酸によるアンモニア発生の抑制
- 余ったアミノ酸による脂肪酸合成の抑制
- トータルの必要タンパク質量の低下
- 頻繁に急峻な血中アミノ酸上昇による筋合成シグナル
- ロイシン(およびBCAA)割合の増加によるインスリンを介さない筋合成シグナルの強化
- 消化不良発生率の減少、腸内環境悪化リスク低下
こんなもんでしょうか。
要するに、タンパク質のさらなる「クオリティ」というものが生まれたのだと思っています。
従来のタンパク質のクオリティは、プロテインスコアです(アミノ酸スコアはう○こ)。
ドベネックの桶の理論ですね。
必須アミノ酸は桶の理論でボトルネックでその成果が決まるわけです。
しかし実際は、この桶とは関係ないアミノ酸もたくさん体に入れているわけで、それが非必須アミノ酸です。
プロテインや卵はスコア100ですが、同時に非必須アミノ酸も豊富に含んでいます。
つまり、プロテインスコアが100であれば、必須アミノ酸分は無駄にならないが、
プロテインスコア100であっても、同時に含まれる非必須アミノ酸は無駄になることが多い
だろうということです。
無駄になるというのは、糖新生に使われたり、脂肪酸合成に使われたり、アンモニアを発生させたりということです。
EAA は非必須アミノ酸を含まないので、スコア100どころかさらに上で全く無駄がありません。
ですから糖新生を不必要に起こすことなく、脂肪酸合成を不必要に起こすことがありません。
そういうことなんだと思います。
ですから、ダイエットに有利ですし、ケトジェニックにも大変有利です。
未消化タンパク質が腸内環境を悪化させるリスクもありません。
アミノ酸インバランス 👈注目してほしいところはココ
でも、必須アミノ酸ばかり摂ってたら、アミノ酸のバランスが崩れるだろう!
という意見が出てきそうです。
私の観点としては次の3つ。
- アミノ酸インバランスはそもそも必須アミノ酸内でのアンバランスを指している
- 近年使われている「アミノ酸インバランス」というのはほとんどが、BCAA/AAA 比(フィッシャー比)のことであり、非必須アミノ酸はあまり関係ない
- 非必須アミノ酸は、全て体内で合成できる
さて、ここからは不正確が部分があるかもしれません。
いくつかの論文をチェックして、勉強してみました。
まず「アミノ酸インバランス」について書かれた論文は相当古い論文が多い。
例えばこの徳島大学の1968年の論文では👇
アミノ酸インバランス誘導に対するアミノ酸の種類による差異について
この実験は単に
「ある必須アミノ酸だけを欠乏させたらどうなるか」
をいろんなパターンで試して、結果を観察しているものです。
この時点で「アミノ酸インバランス」は非必須アミノ酸とは関係なく、必須アミノ酸「内」での話だと伺えます。
「サプリメントでアミノ酸を摂るとアミノ酸インバランスになる」みたいな記述がちょくちょくみられますが👇
こちらでは肝疾患の治療についてわかりやすく図解されており👇
むしろ「BCAA製剤を投与することによってアミノ酸インバランスを解消する」という記述が多くみられます。
少なくともわかったのは、肝臓を悪くした人の治療として、BCAAの投与が行われているということです。
上記資料が一番わかりやすかったです。
じっくり見てみてください。
- 肝臓がやられたら、たくさんのタンパク質はちょっとやばい
- 筋肉が肝臓の代わりにアンモニアを処理する、その時にBCAAが大量に使われる
- 肝臓がAAAの代謝がうまくできなくなる
→ BCAA/AA 比(フィッシャー比)が悪くなる=アミノ酸インバランス が起こる。
ということですね。
そしてその対応として
- 余計なアミノ酸は入れずに、重要なBCAAだけを入れて、タンパク質全体は制限する(カロリーも増やす)
という方法が取られるわけです。
これはかなり「プロテインのEAA置き換え」に似ています。
EAAは当然ながら大量のBCAAを含みます。
AAAのひとつフェニルアラニンは含みますが、チロシンは含みませんし、肝機能が正常でしたら関係ないですね。
すみません、テーマがいくつも混在していてかなりわかりにくい文章になってしまってますね😅
申し訳ないです、私としてもちょっと難しくて。
言いたいことをまとめます。
- 「アミノ酸インバランス」って、明らかに EAA と 非必須アミノ酸 のバランスのことを指してないよね
- 「サプリはインバランスを起こすから危ない」って言ってますけど、フツーにBCAA製剤使ってますよね?
- やっぱりEAAなら余計なアンモニアの負担をかけなくて済むよね
というところです。
逆に、EAAばかりとなると失いそうなものは
・ホエイに豊富なシステインが得られない
・ソイに豊富なアルギニンが得られない
・グルタミンやチロシン、グリシンなどの恩恵が得られない。
といった有用な非必須アミノ酸たちでしょうか。
しかし、これらは狙ったタイミングで狙った量摂りたいものなので、そもそも個別で摂るべきだと思うのです。
- システインは NAC で
- アルギニンはワークアウトサプリとして
- グルタミンはトレーニング後や風邪の時
- チロシンはやる気を出したい時やトレ前
- グリシンは就寝前
に摂取すれば、より良い結果が得られます。
要求量が高くないタイミングで摂取すると、無駄になりやすいんではないかと考えられます。
あとがき
こんなところでしょうか。
私も勉強中・研究中の身ですので、ご意見等ありましたら Twitter でお願いしますね。
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