こんにちはサカトです🙂
素敵なプレスリリースが上がってきたのでサクッと解説しましょう。
こちらです🔽
『マグネシウムによる血圧の概日リズム調節機構を解明』
大阪大学の細胞制御分野の船戸洋佑助教、三木裕明教授らの研究グループによる報告です。
マグネシウムと血圧低下の解説
前提
前提として、マグネシウムの不足は高血圧と強く関連していることが「統計的(疫学的)」にわかっていました。
しかしなぜそうなるのかはわかっていないのですね。
今回の研究はその「なぜ」を埋めることが期待される内容となっています。
TRPM6とは?
「腎臓特異的なTRPM6遺伝子ノックアウトマウスの解析」により、結果を示したとあります。
さて、「TRPM6」とはなんでしょうか?
上記プレスリリースの注釈に書かれています。
Mg2+透過性の陽イオンチャネルで、腎臓の遠位尿細管や腸上皮で強く発現しており、Mg2+を細胞内へ取り込むことでその吸収や再吸収に働く。
要するに、TRPM6とはマグネシウムを取り込むための入り口です。
これがないと細胞の中にMgが入っていけません。
「腸上皮で」ということは、口から食べたMgが腸で吸収されるときにここを通るということです。これがなかったらそのまま💩行きです。
「遠位尿細管で」ということは、原尿(おしっこの素)からMgを体内に「戻す」ための通り道であるということ。これがなかったら、原尿のMgは全部おしっこ行きです。
さて、そんなMgの通り道「TRPM6」が存在しないマウスを遺伝子操作で作成しましたよという話。
するとどうなったか、と。
TRPM6をノックアウト(無くす)するとどうなったか
するとなんと、活動する時でも血圧が上がらなくなったんですね。
そしてそれは「レニン分泌が阻害されたことによるもの」だとわかった。
ここが「なぜなのか」はよくわかりません。「なんか近いとこにあるし…」くらいの説明になっています。
レニンーアンジオテンシンーアルドステロン系というものがあり、これは水や電解質を保持するためのシステムで血圧も上昇させます。
ともかく、TRPM6がなくなると血圧が上がらないのです。
それがマグネシウムとどう関係する?
しかしこれだけだと「だからどうした?」という話です。
じゃあどうやったらTRPM6を減らせるんだよ、と。
ここからもう一つの話、マグネシウムとの関連です。
ズバリ、マグネシウムをたくさん摂取しているとTRPM6が減るんです。
なぜなら、たくさんあるならそんなに頑張って吸収したりする必要がないからですね。
体はTRPM6発現を調節することによって、体内のマグネシウム量を調節しているわけですね。
その2つを繋げるとこうなる
というわけでこの2つの現象が繋がります。
- マグネシウムをしっかり摂取していれば、TRPM6が減る。
- TRPM6が減ることによってレニン分泌が減る。
- レニン分泌が減ることによって血圧上昇が抑えられる。
この研究者はそういう絵を描いているワケですね。
まとめるとこうです。
腎臓でMgの再吸収をするTRPM6をノックアウトすると、活動期の血圧が上がらない。この現象はレニン抑制によるもの。高Mg食はTRPM6を下方制御。
— サカト(ケトン人) @ オンライン遺伝子栄養指導の人 (@Sakato0) June 18, 2021
どうもTRPM6発現が多いとレニンアンジオテンシン系の作動が強くなる。高Mgはここを弱める。
「高Mg食はTRPM6下方制御を通じて血圧を低下させる」って風情? https://t.co/XhDZ49mjTW
✅『高Mg食はTRPM6下方制御を通じて血圧を低下させる』
マグネシウムと血圧低下のあとがき
かつて僕はヴァータ(風)タイプには「海」が足りないのだと述べました。
高血圧は典型的なヴァータの増悪です。
マグネシウムという海の恵みでヴァータの増悪が抑えられることになんの不思議もありませんね。
みなさまも忙しい毎日でしょうが、マグネシウムという栄養素のことをお忘れなく。
もしこの記事で私に興味を持たれた方は、下記リンクにオンラインでの活動をまとめてあります。
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それではまた。