ホエイプロテインに「システイン」は多く含まれているから、単体の「L-システインサプリ」は不要なのでは?
という(私の)疑問に答えます。
L-システインとは
「L-システイン」とは非必須アミノ酸の一種でして、一般には以下のような効能をもっているとされています。
肌のターンオーバーの正常化
L-システインは、肌の代謝(ターンオーバー)のサイクルを正常化するはたらきをもっています。これによりシミ・肌荒れなどの肌トラブルを改善し、きれいな肌へと導きます。
>> エスエス製薬
代謝をサポート
L-システインは、体の新陳代謝を促すことにより、体に必要なエネルギーを効率良く産生することをサポートします。エネルギー不足を改善することにより、全身倦怠(疲れ・だるさ)を軽減する効果があります。
>> エスエス製薬
抗酸化作用
L-システインには、ストレスや紫外線などで生じた活性酸素を除去する抗酸化作用があります。活性酸素は増えすぎると、細胞にダメージを与え、肌トラブルなどを起こしてしまいます。
L-システインは増えすぎた活性酸素を除去し、肌荒れ・ニキビなどの肌トラブルなどを改善します。
>> エスエス製薬
2日酔いの緩和
二日酔いの主な原因は、体内に入ったアルコールが代謝されてできる有害物質(アセトアルデヒド)にあります。これが体内で増加することにより、頭痛や吐き気などの症状があらわれます。L-システインは、この有害物質を無毒化する体のはたらきをサポートすることによって、二日酔いの症状にも効果を発揮します。
>> エスエス製薬
医薬品としての利用
皮膚疾患・抗アレルギー薬、放射線などによる白血球減少抑制する医薬品などの成分として使用されています
>> 日本理化学薬品株式会社
などなど。
基本的に「美肌・美白・プラスα」のサプリメント、みたいなポジションで扱われているものです。
「L-システイン」サプリなんて必要か?
実はこの「L-システイン」、ホエイプロテインに多く含まれているのです。
ですので、今までずっと「ホエイプロテインを飲んだほうがいいのでは・・・?」と内心思っていたのです。
今回それをはっきりさせようと思います。
それにあたって、考えなければならない要素が2つあります。
・システインサプリで必要とされている量を、ホエイプロテイン経由で十分に摂取することができるのか
・価格差はどうなのか?システイン単体のほうがかなり安上がりなのでは?
では、順番に考えていきましょう。
ホエイプロテインでどれくらいのシステインを摂取することができるのか
各メーカーのプロテインを調べてみても、あまりアミノ酸組成まで公開している商品は少ないのですが・・・
「ビーレジェンド」と「FIXIT」が公開していました。
上記ホエイのアミノ酸組成から、システインはおおむね2%含まれていることがわかります。
(同じホエイでも案外ばらつきがあるんですね。私も意外でした)
とりあえず、システインはタンパク質 100 に対して 2 含まれているということで話を進めます。
プロテイン一回あたりのシステイン量を計算
タンパク質含有量でばらつきがでるので、プロテインパウダーの重量あたりではなく、
大体1回分の目安として、タンパク質30gあたりのシステイン量で計算しましょうか。
すると
30(g) × 0.02 = 0.6(g)
ですので、
プロテインの摂取 1 回で 600 mgのシステイン摂取となります。
L-システインサプリの推奨量はどれくらいなのか?
・ハイチオールの1日量:240 mg
・NowFoods の1日量:500mgを1~3回
・Source Naturals の1日量:900mg
とのこと。
ということは・・・
ぶっちゃけホエイプロテイン 1 回飲めば十分なシステイン量を確保できる
ということに他なりませんね。
この時点で私的には、システイン単体サプリはアウト(イラネ!)ですけども、もうちょっと考察を続けます。
システインサプリとホエイプロテインの価格差はどうなのか
では、価格を見ていきましょう。
わかりやすく、1000 mgのシステインを摂取するために必要な価格を計算してみます。
ビーレジェンド ナチュラル(WPC)の場合
プロテインパウダー 1kg あたり 2600円。
システインは 1000(g)× 0.02 = 20(g)含まれていますので、その 1/20 で 1000 mgの値段がわかります。
2600(円) ÷ 20 = 130(円)
ビーレジェンド ナチュラル (WPC)のシステイン 1000 mgあたり:130 円
FIXIT THINK SIMPLE WPI の場合
プロテインパウダー 1kg あたり 3780 円。
同様の計算で 189 円。
FIXIT THINK SIMPLE WPI のシステイン 1000 mgあたり:189 円
ハイチオールC の場合(Amazon価格)
180 錠で 1864 円。
1864 ÷ 180 = 約10.4
なので、1 錠あたり 10.4 円、 6 錠で 62.4 円。
6 錠で 240 mg なので、
1000 ÷ 240 = 4.1666
62.4 × 4.1666 = 260
ですので、
ハイチオールCのシステイン 1000 mgあたり:260円
Now Foods の場合(Amazon価格)
100 錠で 1217 円 。
計算すると、システイン 1000 mgで 24.3 円
Now Foods のシステイン 1000 mgあたり:24.3円
Source Naturals の場合(iHerb価格)
3.53 oz で 18.89 $
1 oz は 28.3 g 、1 $ は 110 円として計算すると、
99.9gで 2078 円 なので 1g 約 20. 8円。
1.2gのパウダーで 900 mgの L-システインとのことなので、
システイン1000 mg あたり 27.7 円の計算になります。
Source Naturals のシステイン 1000 mgあたり:27.7円
まとめると
ビーレジェンド ナチュラル (WPC):130 円
FIXIT THINK SIMPLE WPI :189 円
ハイチオールC:260円
Now Foods:24.3円
Source Naturals:27.7円
これまた残念な結果になってしまいましたね。
システイン単体を摂取したいのだとしても、ハイチオールCはコスパが悪すぎます。
日本人の「国産大好き・信用できる」という謎の思い込みに漬け込んだ美味しい商売してますね。
価格差10倍とは恐れ入りました。
「ハイチオールCはビタミンCも入っているから」は言い訳にならないかなと。
Now Foods もビタミンC 60 mgやビタミンB 10 mg入ってますからね。
なんにしろ 10 倍はちょっと・・・(笑)
ただ、システイン単体で摂取するのなら、ホエイプロテインよりもシステインサプリのほうが安いですね(もちろんハイチオール以外は)。
けど、それでも私はプロテインからシステインを摂取したほうが良いと思うのです。
トリプトファン事件
「トリプトファン事件」という事件がかつてありました。
詳しくは上記記事を読んでいただきたいのですが、
ざっくり言うと「昭和電工」が製造した「L-トリプトファン」というアミノ酸を使用したサプリが、アメリカで 38 名の死者を出させた事件です。
結局のところ、この健康被害の原因ははっきりしていません。
ただ、主に考えられる原因は、
・L-トリプトファン製造の過程で出た不純物が原因
・L-トリプトファンを大量に摂取すること自体が原因
このどちらかです。
この痛ましい事件からも示唆されるように、「単体のアミノ酸だけを大量に摂取することの危険性」がないとは言えません。
というか、私は普通に考えて危険だと思います。
自然界でアミノ酸を単体で大量に摂取することなんて無いからです。
どんなタンパク質もなんやかんやと色んなアミノ酸が組み合わさってできています。
ですので通常人間はいろんなアミノ酸を一緒くたで食べるのです。
そう考えると、どう見ても単体のアミノ酸摂取にはリスクがあります。
アミノ酸サプリの「システイン」に糖尿病を招くおそれ | ニュース | 糖尿病ネットワーク
大きな視点から考えると、こういったケースがまだまだ出てきても特に不思議はないです。
バリン・ロイシン・イソロイシンの 3 種のアミノ酸である BCAA ですら若干あやしいと思ってます。
長期にわたるBCAAの過剰摂取はアミノ酸のインバランスを引き起こし、過食を誘発する。
— Yoshinori Yamamoto (@claymoreberserk) 2019年6月13日
Branched-chain amino acids impact health and lifespan indirectly via amino acid balance and appetite control | Nature Metabolism https://t.co/2W6XA3F9jR
大先生もおっしゃっている。
EAA までいくともういいだろうと思いますけども。
で、結局のところ Lーシステインサプリは不要か!?
はっきり言います・・・
不要です!!
L-システインの美容効果を得たいのならホエイプロテインを飲めばよろしい。
十分なシステインを摂取できます。
単体アミノ酸の過剰摂取のリスクもなしです。
おまけにありとあらゆる健康効果がついてきます。
参考:
>> 運動なしでもプロテインを飲んだら痩せるって話:健康のためなら死んでもいい
>>あらためて「ホエイプロテイン」の素晴らしさを並べてみる | パレオな男
で、具体的にどのプロテインを飲めば良いんだ?
という話にもなりますよね。
別に何のプロテインでも構わないんですが、マストで抑えるべき点は1つです。
・「ホエイ」プロテインであること
ソイプロテインでもなく、カゼインプロテインでもありません。
ホエイです。
ここは間違わないようにしてください。
そして「安く」品質の良いプロテインを買う、ということでしたらやはりマイプロテインがおすすめです。
ぶっちゃけプロテインのコスパを追求するなら「マイプロテイン」一択なんですよね。
プロテインを 2000円 / kg 以下で購入するのはマイプロ以外では無理かなと。
私の愛するバルクスポーツ『ビッグホエイ』は、公式サイトで 5 kgの大量買いをして 2460円 / kg。
これもかなり安いですが、マイプロテインはさらに「圧倒的に安い」。
常にセールをやっていまして、
ぶっちゃけ 30 %オフで買うのが基準です。
そこも惑わされないようにしてください。
その30%オフで Impact ホエイ を 5 kg買うと、なんと 1700 円 / kg です。
マイプロテインのメリットはとにかく圧倒的なコスパ。
残念なお知らせですが有名なザバスのホエイプロテインは約3930円 / kg です。
マイプロテインなら、加えてしょっちゅう無料で新商品やらシェイカーやらがサービスでついてきます。
デメリットは一定金額買わないと送料がかかることと、逆に一回の金額が高すぎると関税がかかってくること。
また、届くまでに基本的に時間がかかることなど。
私がマイプロテインを飲んでいたころは、正直、これらが少しストレスになっていました。
私個人的には、そのデメリットと「薄味のプロテインが好き(バルクは薄味)」という理由から、今はバルクスポーツのプロテインを飲んでいますが、
それでもマイプロテインの「圧倒的なコスパ」はやはり魅力です。
何度も言いますが、あなたがコスパを求めるならマイプロテイン一択です。
いちど実際に利用してみると、合う合わないがよくわかります。
実際に使ってみて、もしマイプロテインのデメリットが気になるようでしたら、バルクスポーツを利用すればいい。
とにかく、さっさと試してみるのが最速です。
当然、Amazon ではなく公式サイトから購入してください。
リンクを貼っておくので、とりあえず無料登録してみるのがよろしいかと。
味にもこだわりがあり、50種類以上のプロテイン【Myprotein】
おわりに
改めてしっかりと自分で調べてみましたが、おおむね予想通りの結果になりました。
ただ価格差10倍とは恐れ入りましたけども。
私なんかだと、多分1日5杯くらいホエイプロテインを飲んでいるので(しかも1回30g以上)、
1日に 4000 mgくらいシステイン摂取してるかもしれません。
筋トレしている人は、こんなこと考えなくてもその効果を受けることができるんだから、やっぱり筋トレって素晴らしいですね。