私サカトが、論文のアブストラクトを読んだだけで妄想を垂れ流すコーナーです🙂
今回は、こちらの報告を元に考えたことをつらつらと書いてみます。
『IL6への慢性的な全身曝露は、ゼブラフィッシュの肝臓における解糖と脂肪蓄積の規制緩和につながります』
我々の結果は、解糖/糖新生、特にアルドラーゼbのIL6による抑制が、脂肪肝の新しいメカニズムである可能性があることを示唆しています。このメカニズムは、痩せた人のNAFLDに関連している可能性があります。
これは面白いですね。
アルドラーゼBは、主に肝臓にてフルクトース1リン酸を代謝する酵素です。
「フルクトース→フルクトース1リン酸→DHAP・グリセルアルデヒド」という代謝の流れがありまして。
つまりアルドラーゼBはフルクトースの代謝を担う酵素です。
アルドラーゼBの遺伝的欠損は「フルクトース不耐性」として知られています。
https://www.shouman.jp/disease/details/08_05_059/
フルクトース不耐性は、フルクトース1リン酸の蓄積により、低血糖をはじめとした様々な症状が出ます。
英語版 wiki 『Aldolase B』から翻訳を引用します。
高レベルのF1Pは、細胞組織に毒性があることに加えて、一般的なリン酸塩プールに戻らない使用できない形でリン酸塩をトラップし、リン酸塩とATPの両方の貯蔵を枯渇させます。すぐに利用できるリン酸塩が不足すると、肝臓でのグリコーゲン分解が停止し、低血糖になります。[17] この蓄積はまた、糖新生を阻害し、容易に入手可能なグルコースの量をさらに減少させる。ATPの喪失は、タンパク質合成の阻害や肝機能障害、腎機能障害など、多くの問題を引き起こします。
フルクトースがリン酸を抱えたまま、代謝されずに蓄積してしまうという感じでしょうか。
さて、話を戻しますが IL-6 がアルドラーゼB を抑制したという話です。
以上から雑な推測をすると、擬似的なフルクトース不耐性が、NAFLD(ナッフルディーーー!)を引き起こしているのかも知れません。
そしてそれは低血糖ストレスを介しているのかも?
IL-6は炎症性サイトカインです。
炎症があると免疫反応を介して生化学的アプローチがスムーズに進まない。
このパターンはいくらでも観察されますね。
炎症を制するものは代謝を制す🙂